Physical Disc
Live at the Jazz Cafe : ProjeKct One
リリースは1999年
Tony Levin bass, Stick, Synth
Trey Gunn touch guitar
Bill Bruford drums and percussion
Robert Fripp guitar
クリムゾンのサブ・グループとして最初に企画されたにも拘わらず、活動開始もアルバムのリリースもプロジェクト2に先を越されたプロジェクト1は、ブルーフォードが参加する唯一のプロジェクトであると同時に、Vドラムが使用されていない唯一のプロジェクトである。 本作品は、1997年12月1日から4日まで計8回(1日2回)、ロンドンのジャズ・カフェで行われたライヴから収録したものである。
他のプロジェクトと比べて、プロジェクト1の音が y2King Crimson
との関連性が一番低いことからも、Vドラムの導入以前にブルーフォードの参加/不参加が、クリムゾンに(そしてフリップに)大きく影響を与えることを改めて認識することができる。 もはや芸の領域に入ったと言っても過言ではないブルーフォード&レヴィンのコンビネーションに、フリップの手癖そのままのギターが絡んでくるところは確かに興奮する。 が、やはりワン・パターンであることは否めない。
曲のタイトルは、例えば ” 4 i 1 ”
ならば、「4日めの1回目の1曲目」を表す。 安易と言うかフリップのタイトリング能力の一貫した欠如を端的にあらわしている。
Jazz Cafe Suite : ProjeKct One
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リリースは2003年
Robert Fripp - guitar
Trey Gunn - Warr guitar
Tony Levin - bass guitar, Stick, synth
Bill Bruford - drums and percussion
December 1-4, 1997
King Crimson Collectors' Club
の第22弾としてリリースされた本作品は、プロジェクト1の4日間(だけ)のライヴから編集したもの。 一般販売された
『 Live at the Jazz Club 』
もスタジオでのミキシングで手を加えられていたが、本作品は更に多くの編集がなされている。 収録された3曲とも、ライヴにおける複数の曲を編集したものと想像できる。
1曲あたりの編集が長時間に及んでいるため、 『 Live at the Jazz Club
』
と比べとらえどころがなく、敷居の高い作品となってしまっていることは否めない。 とはいえ、音源の元となったインプロの出来が良かったことが幸いしてか、随所に緊張感溢れる演奏が収められている。
また、ブルーフォードが2曲目と3曲目のミックスにクレジットされていることが嬉しい。 フリップとの関係には未だ複雑なしこりが残っているのだろうが、DGMとの関係を保っていることにほっとした。
ジャケットのフリップのアホ面は、クリムゾン関連作品のジャケットの中でも秀逸な出来だと思う。
(追加:2003年9月10日)
(更新:2004年11月25日)
DGM Live Library
1997/12/ 1 Jazz Cafe, London, England
ベスト選曲で一般販売をした 『 Live at the Jazz Cafe
』、ライヴ音源を編集してKCCCからリリースした 『 Jazz Cafe Suite 』 を経て、ProjeKct One の全4日8公演全てがついにというか、やっぱりというか、DGM
Live からリリースされている。
本作品はその初日2公演を収録したもの。
4日間ひたすらインプロを続けたというだけあって重複度は少ないのだが、音だけを続けて聴いているとやはり飽きる。 実際のライヴ会場で観ることができたら興奮度も大きく異なったんだと思う。
初日の演奏ということもあって、インプロというより単なるセッションに陥っているように思えるところもあり、『 Live at the Jazz Cafe 』 に初日の演奏が1曲(2,3日目が2曲、4日目が4曲)しか収録されていないの、判る気がする。
(追加:2010年2月10日)
(変更:2019年3月25日)
1997/12 /2 Jazz Cafe, London, England
ProjeKct One の全4日8公演全の2日目を収録した作品。
全編インプロがベースになっているが故に、曲毎の差異化が逆に難しくなっている。 公演毎、曲毎の違いを分析しながら聴くのが本来の楽しみ方なのかもしれないが、正直ちょっと難しい。
そのため、どこか聴き覚えのあるリフが出てきたりすると、とても気になる。
” 2 ii 1 ” では、DGL Live でも紹介されている通り ” Smoke On The Water
”
に似たリフを確認することができる。 音階よりもタイミングが似ているという微妙なものであるが、意識して演奏したものと思われる。
また、紹介文には記載ないが、” 2 ii 5 ” のラストには、Queen の
” Another One Bites The Dust ” が出てきたりする。
この辺り、2日目にしてこの編成でのインプロの限界が見えてしまったのかもしれない。
(追加:2011年1月10日)
(変更:2019年3月25日)
1997/12 /3 Jazz Cafe, London, England
ProjeKct One の作品の中で、残念ながら最も魅力が乏しい作品である。
前日の ” Smoke On The Water ”
や ” Another One Bites The Dust ”
からの借用は行き詰まり感の打破にはつながらず、本ライヴで新たな模索を試みたものの成果を出すところにまでは至っていない。 過度なまでに V-Drums
に依存した ProjeKct Two は、その V-Drums が曲展開そのものを制限していたが、ブルーフォードが生ドラム(とシモンズ)に固執した
ProjeKct One も、そのこだわりがインプロの展開に制限をかけているように思える。
この後の ProjeKct Four での生ドラムと V-Drums の両立が、Double Duo
期のキング・クリムゾンに繋がったとしたなら、本ライヴの失敗が活かされているのかもしれない。
(追加:2019年3月25日)
1997/12 /4 Jazz Cafe, London, England
ProjeKct One の最終日の演奏を収録した作品。
ProjeKct One の 『 Live at the Jazz
Cafe 』 がリリースされた時、1曲目に収録されていた ” 4 i 1 ” の凄まじいまでの格好良さに圧倒され、ProjeKct シリーズの中では
ProjeKct One が最もお気に入りであった。 しかし、こうして DGM Live から全公演がリリースされたものを聴くと、Project
One の演奏のは冗長的は所が多く、インプロとして成果を出すまでには至っていなかったことが判る。 唯一のキラー・チューンである ” 4 i 1 ”
も全体の中では浮いており、イントロ・パートなどは前もって相当の決めごとをしておいたように思える。
前3日の演奏を踏まえての苦肉の策であったのかもしれないが、それならそれでインプロにこだわらず、” 4 i 1 ”
のような楽曲をもっと生み出してもらいたかった。
(追加:2019年3月25日)